2013年に発生した福岡市有床診療所の火災事故を受け、病院・有床診療所などにおけるスプリンクラー設備の設置について、消防法が改正されました。設置義務のある施設の範囲を拡大するとともに、消火器具、屋内消火栓設備、火災通報装置の設置および点検・メンテナンスに関する技術上の基準などの整備が行われています(以下、2019年7月時点での情報です)。

病院

原則、全ての病院に設置義務があります。ただし、常時勤務する医師等の職員の数や、診療科名の種類、延べ面積などによっては設置する義務がない場合があります(消防法施行規則5条4項による)。

有床診療所

病床数が4以上の診療所は、全ての病院に設置義務があります。病床数が3以下の場合は、延べ面積などの条件によって設置する義務がない場合があります。

設置期限:2025年6月30日

早くスプリンクラーを設置をすべき理由


火災時の熱を感知することで自動的に散水して消化を行う自動消火装置のことです。2025年6月の設置期限まで猶予期間がありますが、もしその間に火災によって死亡事故が起きてしまえば、施設側はまず責任を問われます。マスコミの過剰な報道によって批判が起こり、多額の賠償を求められ、経営にも支障をきたすこともあるかもしれません。それに、日々、患者さんの命を救うために誰もが尽力している病院・診療所で、火災によって死者が出てしまってはあまりにも残念です。

スプリンクラー設備は、現在の消防設備の中で最も高い消火能力を持っています。平成14〜23年の『消防白書』によれば、スプリンクラーを設置することで、火災における死者数は12分の1以下になるというデータがあります。手動ではなく全て自動で消火が可能なスプリンクラーは、100%とまでは言い切れませんが、火災から人の命を守るために効果的なのは間違いありません。弊社では「法律で決まっているから」というよりも、リスクマネジメントの観点から考えても早く設置することをオススメしております。それが、患者さん並びにご家族の方々、そしてスタッフに安心・安全を提供することにもつながります。

補助金を使ったスプリンクラーの設置について

2019年度の補助金(医療施設等施設整備費補助金、有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業補助金)申請期間は既に終了しております。毎年、申請期間がとても短いため、事前に問い合わせていただいている病院・診療所様には、次回の申請時に弊社からご連絡させていただき、弊社で申請のサポートもさせていただいております。また、期の途中で追加の補正予算(補助金)が出る場合もありますので、最新の情報につきましてはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

1.対象となる施設

病院、診療所、助産所のうち病床又は入所施設を有している棟(※病床がない施設など、消防法による設置義務のない施設でも実際に補助金が支給されたケースがあります。ですから、施設の安全を守りたい方はお気軽にお問い合わせください。)

2.補助金で導入できる消防設備

消防法施行令の一部を改正する政令(2014年政令第333号)等によって、以下の設備を導入する必要が出てきた施設は補助の対象となります。

  1. スプリンクラー設備(パッケージ型自動消火設備含む)
  2. 自動火災報知設備整備
  3. 火災通報装置設備

3.設備ごとの助成金額

  1. スプリンクラー設備:対象面積1平米あたり 17,500円
  2. 自動火災報知設備整備:1箇所あたり 1,030,000円
  3. 火災通報装置設備:1箇所あたり 310,000円

補助金の範囲内で設置を行えるように努めております

寿防災工業では、補助金の対象となる施設様におきましては、特殊な工事が必要な場合を除き「補助金の範囲内」で工事をさせていただくように努めております。そのため、お客様の経済的な負担が少なく、補助金の申請をはじめとした行政への煩雑な手続きも含めワンストップで引き受けますので、面倒な手続きも不要です。また、日々の診療業務に影響が出ないように最大限配慮させていただきます。

次回の補助金の申請をご検討中の病院・診療所のご担当者様は、ぜひお早めに弊社までご相談ください。消防法の改正により、2025年までには必ずスプリンクラーの設置が必要ですが、補助金がいつまで続くかは不明です。お早めの導入を検討し、施設の安心・安全を確保していただきますようよろしくお願いいたします。