注)こちらは消防法ではなく「建築基準法」の改正によるものです。

2013年の福岡市診療所の火災事故では、温度ヒューズや感知器と連動する防火設備(防火ドア)が全て作動せず、被害の拡大につながりました。その理由は、自動火災報知機など消防法に基づく「消防設備点検」は行われていましたが、防火ドアなどの防火設備などの点検が1度も行われていなかったからです。

これらの防火設備(防火・防炎シャッター、防火ドアなど)の設置基準は、消防法ではなく「建築基準法」で定められており、防火設備が正しく作動するかどうかの点検はこれまで専門的な検査基準と資格者に関する規定がありませんでした(※各自治体に委ねられており、国が対象として指定する規定がなかったのです)。

建築基準法に基づく「防火設備の定期検査報告制度」

そこで2016年の建築基準法改正で、防火設備の専門的な検査基準と資格者制度が導入されました。建物内に以下の防火設備が設置されていたら、一級建築士、二級建築士、または「防火設備検査員」による定期検査が必要となります。具体的な検索目としては、駆動装置の状態の確認、煙・熱感知器との連動閉鎖確認、避難時停止装置(危害防止装置)の停止距離、運動エネルギーの測定、ドアやシャッターの閉じ方などを確認します。

検査対象となる主な防火設備

  • 防火・防炎シャッター
  • 耐火クロス製防火・防炎スクリーン
  • 防火ドア

検査対象となる建物の例

  • 劇場、映画館または演芸場
  • 観覧場(屋外観覧場は除く)、公会堂または集会場
  • 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)または高齢者や障害者などの就寝の用供するもの※
  • 旅館またはホテル
  • 体育館(学校に付属するものを除く)、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場またはスポーツの練習場
  • 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店または物品販売業を営む店舗
※「高齢者や障害者などの就寝の用供するもの」とは?
  1. サービス付き高齢者向け、または、認知症老人もしくは障害者の共同生活援助の事業のように供する共同体住宅及び寄宿舎
  2. 助産施設、乳児院及び障害児入所施設
  3. 助産所
  4. 盲導犬訓練施設
  5. 救護施設及び構成施設
  6. 老人短期入所施設その他これに類するもの
  7. 養護老人ホーム、特別養護老人ホーム並びに有料老人ホーム
  8. 母子保健施設
  9. 障害者支援施設及び福祉ホーム

有資格者による高度な点検・報告が必要です

寿防災工業では、防火設備の点検に必要な「防火設備検査員」の有資格が7名います。また今回の点検では、火災報知機をはじめとした消防設備と連動した点検が必要となりますが、社内にはそれに必要な資格(消防設備士:甲種4類)を持った技術者が33名在籍していますので、安心・安全なサポートが可能です。ぜひお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

PS
福岡の建物の場合、「一般財団法人 福岡県建築住宅センター」からの告知が来ていたら、この「防火設備定期検査」の対象になっていることになります。どう対応していいか分からない場合は、ご連絡いただけましたら弊社で対応できます。