福岡の消防設備業、寿防災工業の安永です。今日は、あまりいい話ではありませんが「消防設備の消防設備点検の”手抜き業者”を見分ける方法」についてです。建物を管理する立場の方なら、消防設備が年2回、資格者による点検が義務付けられているのをご存知でしょうし、実際に業者に点検を依頼していると思います。しかし、点検作業が終わったはずなのに、設備のフタを開けてみると残念な状況のことがあります(管理側の方が知らないところで)。
というのも、弊社は建物の設備管理をされている方からお問い合わせをいただき、消防設備・防火設備の点検はもちろん、改修工事、機器交換、リニューアルなどの相談を受け、実際に点検・施工させていただいております。その中で、現地調査を行い、実際に設置されている設備を確認させていただくのですが…
点検されているはずの消防設備がホコリだらけ…
これは、ある建物の管理責任者の方から消防設備の新規設置工事のご依頼をいただき、実際に現地調査を行っていた現場で目にしたものです。よくある「屋内消火栓」と「自動火災報知設備の発信機」が一緒になった格納箱なんですが、発信機のフタを開けて中を確認すると…ホコリだらけ、砂だらけです。もう目を覆いたくなります。
このホコリ、普通に考えて半年で溜まる量だとは思えません。少なくとも半年以内に、消防設備士などの有資格者による消防点検が入っているとのことでしたから、前回の点検の際に既に溜まっていた可能性が濃厚です。点検では当然フタを開けますから、点検者はこの状況を目にするはずなんですが…この状況。残念です。正直、本当に点検したのかさえ疑わしい気がします。
消防設備点検には「外観点検」も含まれています
消防庁告知によれば、消防設備点検では「機能」はもちろん外観(外観や簡易な操作から判別できる事項)もチェックする必要があります。厳密に言えば、清掃する義務はないのかもしれませんが…それでも実際に点検作業をしていれば気になるはずです。ホコリ溜まったまま点検とか、やりづらいでしょう。ホコリを拭き上げてキレイにする、そこまで含めて「点検」だろうと弊社は考えております。
そもそも、外観が汚れていることで、設備・機器の反応が悪くなるということもあり得ます。上の写真は、別の現場に新規で入った際、ある部屋の天井に設置してあった熱感知器(差動式スポット型感知器)です。急激な温度の上昇を感知して火災を知らせるための機器ですが、タバコのヤニでしょうか。ベットリと汚れが付着しています。こうした汚れは誤作動・不作動の原因にもなります。点検時に拭き上げてキレイにしたり、古くなったものは機器を交換したりとメンテナンスが必要です。
外観も含めた丁寧なメンテナンスが安全を創る
防災設備を専門として安心・安全を届ける私たちの立場からすると、建物管理の立場の方には「消防設備点検」という法律で決められた作業をこなすだけでなく、設備・機器の清掃(拭き上げ)までやってキレイな外観を維持することを目指していただきたいというのが願いです。それに共感いただけるのなら、ぜひお気軽にご相談ください。社長の森山が言うように、外観も含めた丁寧なメンテナンスをさせていただきます。
消防設備点検は、目的ではありません。人の命と建物を火災から守り、安心・安全な生活空間を維持することが目的です。点検はそのための手段ですから、ぜひ本来の目的を忘れないようにしてください。今日の記事が気になったのであれば、建物内の消防設備の格納箱をいくつか開けてみてください。半年で溜まるとは思えないようなホコリやゴミが残っているのなら、メンテナンス会社を見直した方がいいかもしれません。そうした安全意識の高い方々と一緒に仕事をさせていただければ私たちも嬉しく思います。